昼休みには恋華と二人で空き教室で弁当を食べる。
そんな恋華でさえ、今日は元気がない……。
「……もう食わないの?」
「うんっ……。今日はお腹いっぱいなの!さっき、うららちゃんからお菓子もらったからかな?」
「なんかあったのか?」
「優しい伊月くんって逆に変ですよ!」
食い意地張ってる恋華が弁当を残すと不安になるし……
でも、俺に見せる笑顔はいつも通りだし。
俺の周りの悩みの種は分かってる……。
原因は俺と菫の婚約関係。
ハッキリしないから苦しくなってるんだろ………。
「伊月くんこそ……悩みがあったら気兼ねなく相談して下さいね?」
「お前に相談することなんてねぇよ。心配すんな」
「へへっ……そうですか」
恋華の頭を撫でてる手を見れば、恋華からもらったブレスレット。
俺のお守りだ。