気まずいけど、あたしも隣で髪を直す。
トイレには緊張感が広がり押し潰されそうです……。
「貴女は……?」
「へっ?」
「名前よ。名前」
「あ、百合岡恋華です……」
呆れた口調だけど、美形を崩さずポーカーフェイス。
早くトイレ出たいけど……
菫さんに聞きたいこともある。
大和くんと付き合ってるなら、伊月くんのことどう思ってるのかなぁ~……って。
「……菫さん」
「んー?あ、別に呼び捨てでいいわよ」
「じゃあ……菫ちゃんに聞きたいことあります!」
首を傾げる菫ちゃんに、あたしは深呼吸を一つして言葉を並べた。
「伊月くんのこと……どう思ってるんですか?大和くんと付き合ってるんでしょ……?」
ポーカーフェイスを守ってた菫ちゃんの眉間にシワが寄り、一瞬苦しそうな顔をした。
苦くて……
ツライ表情。