《伊月side》
「お待たせいたしました。伊月様」
「サンキュ……柳田」
冬休み明けのかったるい学校がやっと終わり、疲れを抱えて落ち着かない家に帰る。
こんなバカデカイ家をよく作ろうと思ったよな……。
家に入ってリビングを通ると見覚えのある姿。
父親だ……。
自然と目が合い俺を待ってたかの様に立ち上がった。
「おかえり。伊月……待ってたよ」
作り笑いで俺に寄って来る。
「そういえば……1週間後はお前の誕生日だな」
「……そうですね」
「今年は会社の宣伝も兼ねて誕生日パーティーを開くことにした」
「はぁ?……急過ぎじゃ……」
「自覚してほしいものだ。自分が神城グループの跡取りだと」
俺を軽蔑する目で見てくる父親。
父親は昔から言うことこの聞かない俺を大嫌いらしい。
パーティーとかめんどくさいことこの上ない……。