そして、菫は大和に腰を抱かれパーティー会場から消えてった。


マジかよ……大和もよりによって俺の婚約者と付き合ってたのか……。


それは全然構わない。


ただ………俺に婚約者がいることを知ったら恋華は何て言う?


それだけが気掛かりでしょうがない。



きっちり全員に挨拶周りを終えて、恋華を探すと隅っこでオレンジジュースをチビチビ飲んで疲れた顔してる。


「伊月くん…。お疲れ様です」

「ん。お前も疲れただろ?帰るぞ」

「……帰れません……」

「は?」


アイツの目を見ると涙を溜めて俯いてる。


「伊月くんが……ほんとのこと話してくれるまで帰れません…!」

「ここで話すのもアレだから……とりあえず着いて来い」


手を組んで騒がしいパーティー会場を後にする。