《恋華side》
ピンクの水玉の傘をさして、くるくる回す。
この6月の梅雨の時季は苦手分野。
百合岡恋華(Yurioka Konoha)は超名門難関私立高校に通う高校1年生。
ポツリポツリと雨が降っているのに、晴れているって不思議だなぁ~……。
朝、学校とは思えないほど大きな校門をくぐるば黒塗りの高級車がズラリと並ぶ玄関までの道。
そうなんです。
お金持ちがかなり多いです……。
バスで通ってるあたしだけど、バス停から学校まで徒歩20分も掛かるし……
それだけ車やタクシーで通う人が多いってこと!
あたしが傘をさして玄関までの道のりを歩いていると、
「恋華ー!」
あたしの名前を呼ぶ聞き馴れた声。