「駅のホームで会ったんだ。憶えてない?」

「…だけど、“はじめまして”って…」

優しい目で、照れたように笑うリョウジ。

「みんなの前では、なんか恥ずかしくて言えなかった。」

「…」

「―朝、俺は仕事でミスしてどうしよもなく落ち込んでた…情けないだろ。しょうもないプライドが邪魔して人に頭を下げることができなかった。
…ひとりで飲んで荒れて、朝まで落ちていた。」

「…」