と、その時、鞄を持った俺の腕を篠原が引き留めて、振り向くと
亜麻色の長い前髪の間からこちらを見据える真剣な目と目があった。
篠原は普段からバカな冗談を言って絡んではくるけど、
人の行動にとやかく言うような奴ではないのに
今はすごくひなんめいた視線をぶつけてくる。
それに驚いて無言のまま立ち止まりその目を見返しながら考えた。
篠原と結衣は特別仲が良かったわけでもないはずだ。
むしろ篠原は煩わしそうな目で俺にまとわりつく結衣を見ていたように思うし
結衣は結衣で、篠原のその派手な容姿や、自分に向けられる不機嫌な視線に嫌悪していて、
俺の机に集まりながらも互いに無視しあっていた。
だから結衣をかばった発言ではない事だけは確かだと思うけど
この真剣さの真意に、俺には心当たりがなかった。
「だいたい、なんで春日とゆうは仲良いんだよ。
これまでそんな素振り……。」
篠原は独り言みたいなトーンで疑問をぶつけてきて
そこで理由はバネと篠原の関係にあるのだろうとは予想がついたが、
篠原がバネを好いているのか嫌っているのかもその表情からは分からなかった。
亜麻色の長い前髪の間からこちらを見据える真剣な目と目があった。
篠原は普段からバカな冗談を言って絡んではくるけど、
人の行動にとやかく言うような奴ではないのに
今はすごくひなんめいた視線をぶつけてくる。
それに驚いて無言のまま立ち止まりその目を見返しながら考えた。
篠原と結衣は特別仲が良かったわけでもないはずだ。
むしろ篠原は煩わしそうな目で俺にまとわりつく結衣を見ていたように思うし
結衣は結衣で、篠原のその派手な容姿や、自分に向けられる不機嫌な視線に嫌悪していて、
俺の机に集まりながらも互いに無視しあっていた。
だから結衣をかばった発言ではない事だけは確かだと思うけど
この真剣さの真意に、俺には心当たりがなかった。
「だいたい、なんで春日とゆうは仲良いんだよ。
これまでそんな素振り……。」
篠原は独り言みたいなトーンで疑問をぶつけてきて
そこで理由はバネと篠原の関係にあるのだろうとは予想がついたが、
篠原がバネを好いているのか嫌っているのかもその表情からは分からなかった。