「…行くぞ。」

「あっ、はい。」
言い返せなかったぁ…。なんか悔しいし!


教室のドアを開け、ズカズカと自分の席に向う藤谷くんと恐る恐る自分の席に向かうあたしにみんなは一気に注目する。
「あ…あれって!涼太くんじゃない~?」

「ほんとだ~!涼太くん~!」
身長170㎝以上もある藤谷くんをみんなは見上げて口を開ける。

…そんな有名なの?藤谷くんは。

「てか隣の女子も可愛くね?」

「俺も思った!可愛いよなぁ!」
男子が次々と声を上げる。
…隣の女子って、あたし?
かわいい?そんな訳ないのに…!

あたしの席を探すと藤谷くんの隣に1つ開いてた。
…うそ。藤谷くんの隣!?

「え、彩乃。俺の隣かよ!」

「わわっ!ご、ご、ごめんなさいですっ!」
俺の隣かよって言われてすごくショックで日本語がおかしくなってしまった。
…ふぁっ!やばい!変なこと言っちゃったよ!
あたしは慌てて手で口を隠す。
「フッ。嘘だってば。よろしくな?」

…良かったぁ~。
「はいっ…。」
その時、ガラッと前のドアが開いた。
「はいはーい!静かにしろよー?」
ニコニコな笑顔で入ってきたのは…担任かな?

「はい!先生の名前は鈴木優也(ユウヤ)です!よろしくなー?」