「く、苦しい…」

お店の前でうずくまる私に
葵さんが心配そうに
「大丈夫?」と言って
背中をさすってくれた。


あんなにお肉を食べたのは初めてだし
こんなにも食べることに必死になったのも
初めてだ…。
だって全部食べないと怒鳴られそうだもん…

「どうする?倉庫戻る?」
「おー戻るか」
と言って大樹さんたちは歩き出す。

「悪い、俺ら帰る」
隣にいる瞬さんがそう言うと
葵さんは
「わかった」
と頷いて大樹さん達と一緒に歩き出した。


ん?待てよ…?
今、瞬さんなんて?

俺ら?
俺らって言いました?


「行くぞ」
「え…ッ」

まだ帰りたくない…
帰るなら一人で帰ればいいのに!
私はまだ帰りたくないのに!
ちょっと瞬さんを睨んだけど
全く意味はなく、

私の手を取って歩き出す瞬さん。