「なにまた変な顔してんだよ」

固まる私を瞬さんが呆れたように言った。
そして私の手を握って階段をおりた。

やばい、ドキドキする。
なんなのこれ。

繋いでる手に全ての神経が集中している気がする。
体がムズがゆい感覚になる。
体が熱くなってさらに鼓動が早くなる。



「どうした?」
「え?」
「顔赤いぞ?」
私の顔を覗き込む瞬さん。
こんな近い距離で心配そうな顔をする瞬さん。

わ、まつげ長い…
カラコンしてるのかな?
っていうくらい深い闇の色をした漆黒の瞳。

よけい苦しくなってきた!!!
心臓が暴れすぎて口から出そう!

「大丈夫か?」
耳元で低く綺麗に響く声に



「どぅ、だ、大丈夫です…ッ!!!!」
変な返事をしてしまったのは言うまでもない。