私の前を走る大きな背中。
走る度に揺れる茶色がかった髪。
その後ろ姿を見ながら走るしかなくて。


なんで私掴まれてんの?
なんで私この人と走ってんの?



『あの女だれ?』
『なんで葵さんと話してんの!?』

さっきまでの周りの視線が私の頭の中で繰り返される。
怖かった…
沢山の目が私を見ていた…