そのドアを開けた瞬間、空気が動いたせいで炎は強さを増し、ゴォォ! と大きな音を上げ始めた。


隣の部屋からガラガラと何かが崩れ落ちる音が響く。


早くしなきゃ!!


あたしは熱さに顔をゆがめながら、ゆりかごを目指した。


炎の音にかき消されながらも、その中で赤ちゃんが泣き声をあげている。


あたしはなんとか赤ちゃんを抱き上た。


その瞬間。


リビングの窓ガラスがパァン! と音を上げて砕け散った。