「小春!! 大丈夫か!?? 小春!!」
何故か香川くんの声がした。
「持ち上げるぞ、小春」
香川くんがワタシを抱え上げた。
・・・・・・・コレが俗に言う『お姫様抱っこ』というヤツか。
・・・・・・・ワタシ、されたの初めてだ。
そんな、巨人を運ぼうとしてくれている紳士な香川くんに
『繭の彼氏は、繭のトモダチにも優しいんだね。 イケメンー』
『あんなおっきい小春を軽々持ち上げたよ、男らしい』
と、女子たちが沸き立ち、香川くん株が急上昇した。
そして、香川くん株の筆頭株主の繭が、香川くんに心配そうな声を掛けた。
「大丈夫?? 1人で運べる?? ゴメンネ。 女子じゃ運んであげられなくて・・・・・」
『小春、大きいから』という事だろう。
事実だから仕方ないのだけど、やっぱり傷つく。
なんでワタシは、こんなに大きいのだろう。