あ、どうも。申し遅れました。私、本条朱と言います。


高校一年生。女子。


「…くそぅ…!! なんでこんなに走らなくちゃならないんだ!!」

そうぼやきながら走り続ける。

どこまで? そんなの決まっているじゃないか。





神社だよ!!!!





ほら、神社って化け物寄せ付けなさそうじゃん? 実際私何回も神社に入ってやり過ごしてるし!!


まぁ、このへん神社とかあんまりないんだけどね!!


私は前だけを見て必死に走る。

すれ違う人たちはきっと怪訝そうに私を見ているのだろう。

日の落ちかけた夕方に何に追いかけられているわけでもない女子高生が全力で走っている光景なんてそうそうない。


お前らには見えてないだろうけど、目が10個以上ついた気持ち悪いのが追いかけてきてるんだよ!! 



私はそう叫びたかった。