と、唐突にそのてっぺんがむぎゅりと掴まれる。
「ふ、ふぇっ?!」驚き身をよじると、なんとカルハが唐傘小僧のてっぺんを強い力で握りしめていたのだ。
その顔のなんと恐いこと。
唐傘小僧も、赤い傘が若干青くなっている。
「ねえ、君」
「ふぇっ、は、はぃいっ」
「鶴に撫でられたからって、いい気になるなよ?アレは私のものだ。鶴は優しいからねえ、まったく。その優しさのほとんどは姐さんに向けて少しばかり弱い者たちに向けるんだ。
…私には微塵も向けてくれないがね。
だからって、調子に乗るなよ?
鶴が私のものであることには変わりないし私も鶴のものであるしそもそも私たちは主従関係であって離れることも許されない仲なんだから君たちのような低俗な妖共に入り込む隙なんてないんだよははははははザマァ」
「ひぃぃいいっ!」
言葉を続ける度にカルハの握りしめる力が強くなっている。
このままでは傘の骨組みが折れそうというか、もはや命の危機を感じてならない。
小心者な唐傘小僧の涙腺も崩壊寸前だ。