クラスのみなは、じっと画面に見入る。



 すると、空気を切り裂くような音が、モニターから聞こえた。厳密に言うと、両サイドに設置された簡素なスピーカーから。


 それとなく嫌な予感が胸を過る。






 ────グサッ。

 “なにか”が、外履きを履いた唯の元へと飛んで行った。…画面外から、槍らしき長い棒状ものが飛ばされて、唯に、突き刺さったのである。



 クラスメイトたちは、状況が飲み込めず、ポカンと口を開け、放心状態だった。



 なぜなら、画面の中にいる矢澤さんが、槍にその身を貫かれ、流血して倒れているから。







「キャアアア!!」



 しばらくして、クラスの女の子が悲鳴を上げる。
千春や美琴も例に漏れず、それぞれ怯みきっていた。



 しかし、陽菜は悲鳴を上げなかった。気づいたからだ。第二の凶器に。



 画面に、はみ出してしまったようにして映っているものは…



 パァン!



 拳銃っ!黒光りする銃口だ!

 日本の警察がよく使用する、



 画面は粗くて音速で飛ぶ銃弾は見えなかったが、おそらく、取り巻きの一人の急所に命中したのだろう。
頭から血を流して、靴箱にもたれかかって目を瞑っていた。

 凄まじい命中率、恐らく、即死している。