『アトサンプンイナイニアマッタヒトヲコロサナイト、シメイシャヲコロシマス』
今度は、機械音が告げた。
羽村はギュッと目を閉じる。それきり、開かない。
「っ…」
光太と千春が唇を噛んだ。
「そろそろ時間…だな」
と羽村は覚悟―――いや、諦めを見せた。
目を開いたら、自分は生き延びたいがために、かなえへ再び銃口を向けてしまうだろう。そんな醜い自分は、御免だ。だから、もう。
その途端、渇いた発砲音が、けたたましく体育館に響き渡る。それは、唯の取り巻きが殺された時のと同じものだった。
みなが、舞台に視線を注ぎ、息を呑む。
“それ”は、スローモーションのように見えた。