『“人間狩り”のルール説明をします。まずは寝ているものを起こしてください』



 (え…。寝ているって、陽菜のことだよね?)


 放送の人は、監視しているの?



 千春は、そう思うとさらに怖くなってきた。鳥肌が止まらない。




 光太一人だけ陽菜をお姫様抱っこして立っている。逆らったら、陽菜や光太が殺されてしまうかもしれない。

 ──サッキノ、ユイタチミタイニ──。




 そう思ったのか、光太君は小声で起こそうとした。



「…陽菜、起きろ…」







 陽菜は、重たい瞼を開けた。



「んん…」



 目の前には、光太の顔。



「ギャッ」



 光太にお姫様抱っこされてる!?と、陽菜は、驚愕に満ちた顔をした。



「やっと起きたか」



「なんで体育館にいるの」



「覚えてねぇのか…?さっきの放送」




 放送、と聞いた瞬間、忘れていた記憶を沸々と思い出す。


 モニター越しのあの光景─────!




「え…じゃあ、何。ゲームをしに来ちゃったわけ?体育館に」



「あぁ…そうだ。とりあえず、クラスの席順で並べって指示が出た。降ろすぞ」