そう思っていると、叶がいきなり起き上がった。









「叶、起きたの?」









「ん…、ああ。なんか変な夢見た。」









「大丈夫?どんな夢?」









「ん…、思い出せない…。どんなのだったっけ。」









あまり意識がはっきりしていないのだろうか、叶は一点を見つめながら口を動かしていた。









「もう少し寝る?」








「ううん、いいよ。それより梨奈は寝なくていいのか?」








「大丈夫だよ、多分。」








本当はすごく眠いけれど、彼氏の前で意地張っちゃうのが彼女っていうもの。
少しの嘘は許してくれる。