せっかく大切な仲間に会えた。

あの時の傷が癒えてきた。




『…………やめて』


お願いだから、あたしの幸せを奪わないでよ。






『………もう、やめてよ!』


あの日と違うのは震えながらも声を出せること。


でも、どんなに力を込めても奴は退こうとはしない。
………腕と脚の自由を奪われた今、
抗う手段がなかった。






……………もう、駄目だ。



目の前が一瞬真っ暗になり、
まばたきをする。



次にあたしの目が捉えた世界は、
真っ白なこの部屋さえ濁って見えた。