廉「……ただ、律を助けようにも場所が掴めないんだ」
廉さんが眉間にシワを寄せる。
准「今、調べさせてはいるんだが……3年前も結局見つけられなかったんだ。あの時は律が自分で逃げたから良かったんだか……」
廉「須藤組だって馬鹿じゃないからな。他の情報なら出るのになんで隠れ場所だけが出ないのか分からない」
全国No.1を誇る八神組が調べても分からない?
………そんなことがあるんだろうか。
………何かが引っ掛かる。
俺は頭の中で自分の持つ情報を必死に絞り出した。
『……元々、須藤組の敷地ではない場所なのでは?』
廉「それも考えたんだが……須藤組の傘下や周辺を調べても分からないんだ」
………組の支配下にはない。
ということはまさか………
頭の中を記憶の片鱗が音をたてた。
『…………闇烏……須藤………鈴次』
『…確かうちの組で管理している地域内で闇烏が使用していると思われる場所があります。荒れ地となっていると表ではされてますが、須藤組のことですから、情報を揉み消して建物を立てることも不可能ではありません。……それがもし地下にあるとしたら、尚更……』
准「………まさか、隣町か!!!?」
低く、鋭い声が響いた。
溢れんばかりの殺気が部屋中を支配する。
廉「…盲点だ。あの場所は他の組に譲られたと言う情報があったから除外したんだ。荒れ地となっていたしな。その情報も須藤が錯乱のために流したのか…」