翼side



律に呼ばれて入ったのは、
おそらく総長専用の部屋。



紅のcolorである赤と、黒で統一されている。










律「……ごめん、黙ってて」


静かに口を開いた律は、下を向いている。








『……謝る必要ないだろ。こっちこそ無理言ってごめんな』



俺がそう言うと、
そんなこと言わないで。という感じに、
首を横に振られた。





律「……翠嵐には特訓してもらうから」



『分かってる』











それだけ言うと律は下を向いたまま、
ベッドに寝転んだ。












律「……相手は2000人以上。勝算低いよ?」


桜花の強さをもってしても、
楽な闘いじゃないことくらい分かってる。




『………あぁ』







ベッドに顔を埋めた律の声は、
どこか悲しそうだった。










『……律?』