勿論、逃げることなんて出来なかった。 アイツの言った通り、 次の日も、その次の日も誰も助けに来なかった。 『………』 身体も心もボロボロになって、 声も出なくなった。 でも、あるときアイツが須藤組の仕事だとかいって来ないときがあった。 もう必死だった。 ………今、逃げなきゃ。 そのことだけ考えていた。 部屋の外に見張りがいるのも知っている。 もう、強行突破しかない。