立っていたのはあたしより少し年上くらいの男だった。
傷んだ金髪があたしの恐怖を煽った。
『………誰?』
必死に声を振り絞った。
「…へぇ、いい声してるね。」
アイツはあたしを見て二ヤッと笑った。
『……だから誰?』
アイツは危険だ。
あたしは本能的に悟った。
「あー、俺は鈴次。『須藤鈴次』だよ」
『………す、どう』
その瞬間、身体中から血の気が引いた。
それと同時に理解した。
自分がとんでもなく危険な状態にさらされていることに。
須藤組。
さすがのあたしでも知っている。
薬で稼ぎ、人を操る。
人を殺すという噂すらある。
鈴次「……誰も助けに来ないよ?」
『…………っ』