―――ブンッ…
『!!っと、あぶねぇ』
後ろから振りかざされた鉄パイプを避ける。
『武器に頼っちゃだめだろ』
敵「くそっ!!」
俺は鉄パイプを掴んだまま、
相手の鳩尾に肘を入れた。
敵「ぐぁっ…」
相手は呆気なく倒れる。
おいおい、弱いな…
もうちょい鍛えとけよ…
なんて内心呆れながら、喧嘩をした。
ふと他の幹部たちを見ると、
皆、怪我1つせず闘っている。
敵「覚悟しろー!!!!黒龍!!!!」
一人の敵が奏に向かって叫ぶ。
ブチッ……
あっちゃー、奏がキレた。
―――バキッ…「う゛っ…」
奏「俺は黒蝶だ。敵の名前くらいきちんと覚えとけよ」
恐ろしいほど低い声で奏が倒れた相手に言う。
あの敵馬鹿だなー。
なんのためにメッシュまで入れて、
響と奏どっちか分かるようにしてると思ってんの?
二人は双子だけど、別々の人間だぞ?
比べられるのも嫌いだしな。
まぁ、メッシュなくても俺はどっちがどっちか分かるからいいんだけど、
下っぱとか学校の奴らのためにね。
そうこうしてるうちに、
相手の数はどんどん減っていった。