律side
あたしを包み込む甘く、優しい香りと、
程よく筋肉のついた細身の体。
目が覚めると太陽の光があまりにも眩しくて、
思わず目を瞑った。
翼「……起きた?」
上から降ってくる答えに頷く。
あ、そっか。あたし翼のとこで寝たんだ。
響「……律、御菓子でも食べる?」
響もいる。みんないる。
安心感が凄い。
『……お腹減ってない』
そう答えてると翼があたしを降ろそうとする。
なんか―――やだ……
『……やだ』
――ギュッ…
翼から離れるのが嫌でしがみつく。
翼「……起きないの?///」
翼が少し顔を赤くしてあたしを抱き上げる。
『んぅ……このままがいぃ』
誰かに触れられるのは怖いくせに、
誰かに触れてないと孤独感があたしを襲う。
自分でも矛盾してるって分かってる。
でも自分じゃどうしようもなくって、
結局優しい人たちに頼ってる。