「…なぁ、俺に嘘ついてたんだ?」


___ドクッ


私の心臓が大きく動いた。


慧兒は真顔でそう言い私の手首をさらに強く握る。


「いたっ…」


「痛い…?でも悪いのは魅音だよな?」


慧兒は不気味な笑みを浮かべながら今度は両手を掴んだ。


「ごめんなさい…!ごめんなさい慧兒…」


必死に謝った。


だけど、慧兒の瞳は闇の様に真っ暗で何も映っていなかった。


「嘘つかれて俺今どんな気持ちか分かる?」


慧兒は小刻みに震えている。


「…うっ、ごめんな…さいっ」



「……どんな気持ちかって聞いてんだけど?」


ドカッ



慧兒が私のお腹を殴った。