「あ、なんでもない!ごめんね」
私がそう言うと後藤くんは少しだけ悲しそうな表情をした。
あれ…?
私、なんか変なこといったかな。
「「………」」
沈黙が続いた。
この空気、苦手…。
それにいつも元気な後藤くんがどうして悲しそうな顔してるんだろう…
何かあったのかな。
「後藤くん…?」
私が尋ねると後藤くんは少し口を開こうとしたけれどすぐ閉じてしまった。
「……?」
なんだろう…。
あ、それより時間がやばいかも…。
腕時計に目を向けると丁度いい時間だった。
そろそろ行かないと…。
「ごめん。後藤くん、また明日ね」
手を振って私は何か言いたげな後藤くんを置いてその場から去った。