「いつまで待たせる気ぢゃ、わしがそんなに暇にみえるのか?」

着替えるのが面倒臭いだけなのか、はたして本当に暇がないのか…
あるいは、心配をしてなのか、声の主は部屋着にしている浴衣姿だった。

勿論、祭などで着るそれでわなく湯上がりに身に纏うようなアレだ。

「…暇じゃないなら来なくてよいのに…」

「お主が頭を打ったと聞いてな…
これ以上可哀相な事になられては困るので、早めに安静にさせなければならぬなと…」

容赦のない言葉に、更に脱力する。