放課後…
靴紐を結んで空を見上げた。

放課後になってようやく体力が戻って部活に励める。

風を切って走っているときが一番好きだ。

何も考えずにいられる。
「お前、ホント楽しそうに走るよな」

春日が隣で笑う。

「…こうして走ってると風になった気がしないか?
体も何もない…風…」

真っ青な空に向かうように走って……

こけた。

「痛ってー!」

グラウンド中に響き渡る声に一同が振り向く。

「…運動神経いいくせにドジだよな…」

春日の差し出す手を素直にとり、立ち上がる。

「煩いよ…
運動神経いいのとドジなのは関係ない」

土のついた手足を払うとフンとそっぽ向く。