そんな自分が悔しい。もっともっと歌が上手になりたい。みんなを感動されたい。

そんな事を思っていたら授業が終わり
というチャイムが鳴った。…やっと鳴った。私はノートに書いた歌詞を消し机の中にしまった。
「おーい!瞳子!!」
そう、私の名前は瞳子。自分の名前が大嫌い。なんかおばさんくさくて嫌だ。
みんなと同じように可愛くてありきたりな名前がよかった。

「…い。おーい!って言ってるじゃん!」
「ごめんごめん!気づかなかった!」
「しっかりしてよねー!」
この子は伊織。目が大きくてとても羨ましい。性格も顔も良くて、字も上手。とても羨ましい。