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「あら。琴音、香水つけるようになったの?」

「え?ううん」

「え、でも……うん。やっぱり今までの琴音と違う匂いがするわよ。近付いたらほんのり香るくらいだけど、琴音にぴったりだわ。なかなかいいじゃない」


ある土曜日、叔母に呼び出され、叔母の家を訪れた。

会って早々、突然くんくんと匂いを嗅がれ、今のような状況になっていた。

香水なんてつけてないんだけどな……と思った瞬間、はっとあることを思い出す。

……わかった。

すっかりこの香りに包まれることに慣れてしまっていたけど……


「……えっと、これね……」