「……やっぱり、やめとくよ」

「琴音?本当にいいの?いい機会かもしれないのよ?」

「……自信ないの」

「自信?」

「結婚するのって、相手の人を支えなきゃいけないってことでしょ?……私にはできないよ」

「そんなの、わからないじゃない」

「え?」

「そうしたい、って思える人かもしれないでしょ?まずは会ってみないわからないことだわ。その可能性さえも捨てる気?動いてみないと何も見えないわ」

「……」

「じゃあ、決まりね。10月の3週目の日曜日は空けておきなさい」

「……って、え!?もう日にちまで決まってるの?」

「えぇ。琴音がもし断っても連れていくつもりだったから」

「!」


叔母はにっこりと笑った。

その時、気付いた。

私の返事が何であろうと、お見合いさせるつもりだったんだ、と。

最初から決まっていたこと。

……何て勝手なの!?、と思ったけど、その気持ちはすぐになくなった。

……そうでもしないと、私が動かないことを叔母は見抜いていたんだ。

きっと、私のことを思ってのことだ。