「……惣介さんに“からかい名人”の称号、あげます」

『あ』

「でも、それ出すのは禁止です!出したら10分間の絶交です!」

『えー!それは困りますって!長すぎます!せめて3分にまけてくださいっ』

「ダメですー」

『俺の生き甲斐を……』

「!い、生き甲斐って……大袈裟な」

『いいえ。最近の生き甲斐ですから。取り上げられたら、俺死んじゃいますよ?』

「!もう!そこまで言われたら私が折れないといけないじゃないですか!」

『ここは折れていただきます!……くくっ』

「……ふふっ」


お互いに電話越しに相手の笑い声を感じながら、気が済むまで笑い合った。

もう、惣介さんって何でこんなに笑わせてくれるんだろう。

ここ数年分の笑いを引き出されてる気がするくらい、私、笑ってる。

それに電話越しというのに、そこに惣介さんがいるような感覚で。

11月に入ってすっかり寒くなったというのに、ほっこりと温かい。