「……俺と結婚してください。絶対に幸せにします」
「!!」
「……俺と一緒に幸せになってほしいんです。俺がこの先何十年、一緒に過ごして同じ景色を見ていきたいと思う人は……あなただけなんです。もう、琴音さんしか考えられないんです」
“幸せになりましょう”とか未来を想像させられる言葉は何度も言われたことはあったけど……はっきりと“結婚しよう”と言われたのははじめてで。
本当に惣介さんとこの先ずっと一緒に過ごせるんだ、と確信できた瞬間だった。
私はうんうんと首を縦に振る。
「……はい……っ、私も……惣介さんと一緒に過ごしていきたいです。私も頑張って惣介さんを幸せにしますから……!」
「!……くくっ、それは頼もしいですね」
「どんと任せてください!」
「はい」と惣介さんがくすくすと笑いながら呟き、次の瞬間、ちゅっと私の唇に触れた。
「っ!な……っ、」
「……こうやって触れられるだけで、もう、十分幸せなんですけどね。でも……一緒にもっと幸せになりましょう」
「……はい……!」
「わっ!?」
私は惣介さんに飛び付くように抱き付くと、惣介さんは慌てたように私の身体を抱き止めてくれた。
……惣介さんと出逢った日から3ヶ月。
お見合いから始まった出逢いはいろんな気持ちをくれた。
それは惣介さんだったからこその気持ち。
現在(いま)この瞬間のことは、あの日の私にはとても予想すらできなかった未来だ。
……まさか恋愛を諦めていた私が、好きな人と結婚することができるなんて。