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「飲んでください」
「……申し訳ないです……すみません」
「……」
惣介さんが出してくれた温かい紅茶の入ったカップを手に取る。
……すごくあったかい。
一口飲むと、身体が奥から温まっていく。
凍えそうだった身体は惣介さんという存在だけで一気に温まってしまうんだ。
ちゃんと謝らなきゃ、と私は決心して、カップをテーブルの上に置く。
「あ、あの、惣介さん……」
「……はい」
「っ、……あ、あの……子供でごめんなさい」
「……」
「あんな駄々っ子のワガママみたいな言葉……恥ずかしいです」
「……」
惣介さんは何も言わない。
きっと呆れ返ってるんだと思う。
「琴音さん」
「っ、はい」
「……顔上げてください」
「…………はい」
恐る恐る顔を上げると、そこには久しぶりに近くで見る惣介さん。
さっきとは違って周りは明るくて、その表情がよく見える。
惣介さんは……いつもの笑顔は見せてくれていなかった。
でも、私の目をじっと見てくるところは変わらない。