でも、本当はどんなに醜くても、惣介さんの隣にいるのは私じゃないと嫌!と叫びたい私がいて。

それで傷付くのが嫌で言い出せないでいるだけ。

嫌われたくない。愛想尽かされたくない。

……惣介さんはリスクがあるかもしれないと思いながらも、私に本当の姿を、心の中を見せてくれた。

それなのに、私は傷付くのが嫌だからって心の中を見せないの?

……でも、怖いよ。


「琴音」

「っ」

「三浦くんに今の気持ち伝えてきなさい。素直な気持ちをぶつければ、三浦くんはちゃんと受け止めてくれるわよ」

「……そうかな……?」

「それは琴音の方が知ってるんじゃない?」

「……」


惣介さんは私のことを受け入れてくれる?

こんなにヤキモチ妬きで、子供みたいな私のことを。

醜くすがっても、惣介さんは私を抱き締めてくれる?



……きっと、たぶん、もし惣介さんが私をまだ好きでいてくれるなら、どんな私でも受け入れてくれるんじゃないかと思う。

でもやっぱり醜い姿を惣介さんに見せる勇気の出ない私は、もやもやと不安を抱えたまま、一歩も動けないまま、しばらく日常を過ごしてしまっていた。

そこにあるのは、ぽっかりと穴の空いた心だけ。