「その反面、琴音さんのことを好きになればなるほど、失うのが怖くて、この姿のことを言い出せなくなっていきました。……失うのが怖いのは今も同じです。……琴音さんのことが本当に好きなんです。……でも、それは俺のワガママですから」

「そんなことないです……っ!ワガママなんかじゃないです!」

「……本当に琴音さんは優しいですよね。こんな俺を受け止めてくれるなんて」

「~~っ!」


惣介さんの言葉に、私はそんなことない!と首を横に振る。


「これが俺の全てです。……隠していたことは本当に申し訳なく思ってます」

「……」


全てをさらけだしてくれたという惣介さんの気持ちが嬉しかった。

今まで向き合ってくれてなかったとは思わないけど、これでもっとちゃんと向き合えた気がしたから。

まだ見慣れない惣介さんの顔を、やっと真っ直ぐ見ることができた。

……戸惑いはあるし、私とはかけ離れ過ぎているようなあまりの素敵さにやっぱり考えることもあるけど、これも惣介さんなんだから。

この姿の惣介さんと一緒にいれば、今日みたいな視線をずっと受けないといけなくなるだろうし、最初はたぶんツラいと思う。

でも、そんなのはきっと時間が解決してくれる。

私は惣介さんが好きだし、一緒にいたい。

その気持ちは変わらない。