「……怖かったんです」

「怖い……?」

「こうなることがわかっていましたから。琴音さんは素直ですから……すごく伝わってきます。……距離を感じます」

「!そんなこと……っ」

「あるでしょう?……って、すみません。琴音さんを責めるわけじゃないんです。……全部、俺が悪いんですから」

「……」


何が悪いの?

悪いのは変な態度を取ってしまう私なのに。

私はちゃんと惣介さんと向かい合いたいと思って、カップをテーブルの上に置く。


「……聞いてもらえますか?俺の話を」

「!……は、はい」

「……ありがとうございます。……俺はずっと、見た目と中身のギャップがコンプレックスでした」

「……コンプレックス……?」


そんな人の目を惹きつけて離さない素敵な容姿をしているのに?

そんな真っ直ぐで綺麗な心を持っているのに?

惣介さんの言葉の意味がわからなくて、私は聞き返す。


「派手な容姿と、地味な内面。何度言われたかわかりません。イメージと違ってつまらないって」

「……つまらない?」

「はい。その顔でダサいこと言うなよ、なんてことは普通に言われてましたね」

「!酷い……、惣介さんはつまらなくなんてないです!」

「……ありがとうございます。そう言ってくれるのは琴音さんだけです。でも、この姿だとどうですか?このイメージのまま近付いてきた人はそう思うみたいなんですよね。残念ながら」

「……っ」


確かに私はこの格好ではない惣介さんを知っているけど……

でも、つまらないなんて一度も思ったことはない。

惣介さんはその内面もすごく魅力的なのに。