私は少しだけ惣介さんから距離を取って、ぱちぱちと瞬きをする。

すると、惣介さんは顔を背けて、ぷっと吹き出した。


「!?」

「……くくっ、冗談ですよ?」

「な……っ!」

「その慌てた顔が見たかったんです」

「っ!もうっ、またからかったんですね!?惣介さんの意地悪!」

「すみませんすみません。琴音さんがかわいくて、つい。くくっ」

「っ!」


惣介さんの手が伸びてきて、私の頭をぽんぽんと撫で、そのまま髪の毛を弄り始める。

こうやって触れてくれるのはすごく嬉しい。

不安も全部どこかに行っちゃうから。

髪の毛と頭を撫でる惣介さんの手がすごく気持ちよくて、ほわほわとした気持ちになってくる。


「……琴音さん?」

「え?」

「……好きですよ?」

「っん、」


惣介さんの唇がぶつかるようにして、私の唇に触れて。

食むようにされた後、少しずつ深くなっていく。

……口内に入り込んできた舌がすごく気持ちよくて、私は惣介さんの首に腕を回して、もっと欲しいと自分からも求める。


「は……っ、そ……んんっ、」


……私の「私も惣介さんが好きです」って言葉は、重なる唇の間に甘く甘く溶けていく。