……わ。

っていうか、これが毎日のことになるんだよね?

結婚してからも惣介さんがこうやって手伝ってくれるかはわからないけど……

って、私の思考回路、結婚する前提だ……!

いや、きっとする……んだろうけど!

私はつい手を止めてしまっていた。


「琴音さん?どうかしましたか?固まっちゃって」

「えっ!?いや、何でも!」

「……ダメですよ。ヒミツ事はダメです」

「!そ、それを言うなら惣介さんだって……」

「俺はちゃんと後で言いますから。でも、琴音さんはこのままうやむやにするでしょう?」

「う……っ、あ、あの……だから」


私は言いづらくて、お皿の上に乗っているフォークをかちゃかちゃと小さく左右に揺らす。

言ったらどんな反応をされるんだろう?

想いが通じたとは言っても、まだ具体的な結婚の話は全く出てないわけだし……。

っていうか……結婚前提のお付き合いっていうのは継続中なのかな?

余計な心配までもやもやと出てきてしまった。


「……あ、もしかして、未来のこと考えてました?」

「っ!!」

「……あぁ。図星、ですね」

「だ、だって……」


まさに図星でもごもごしてしまう。


「……それなら隠す必要なんてありません。むしろ、大歓迎です」

「えっ?」

「……俺も考えてましたから。同じことを。気が合いますね」


さらっと私を喜ばせるようなことを言った惣介さんは、くすりと笑いながらお皿を手に持ち、キッチンに運び始める。

私は少しの間、その姿をぽーっと見てしまっていた。