「あ、惣介さん。待ってください」
「えっ?」
「ゆっくりまったりおしゃべりしたいし、先に洗い物しませんか?ていうか、させてください!」
「!は、はぁ……」
「お料理のお礼にはなりませんけど、これくらいは!」
私は気合いを入れて腕捲りをする。
私の気合いに惣介さんは困ったように笑った。
あれ、何でそんな顔……
あ、もしかしてキッチンに入られるのが嫌とか?
あっ、それとも話を遮っちゃったから気を悪くした!?
「そ、惣介さん、すみません!」
「え?何で謝るんですか?」
「いや、私、何かしちゃったかなと……」
「ふ、何も……してないとは言えませんけど、大丈夫です」
「え?大丈夫、なんですか?」
「もちろんです。でも……後で覚えておいてくださいね?」
「えっ!?やっぱり何かしました!?」
「いえいえ、大丈夫大丈夫。心配しなくても大丈夫ですから。確かに琴音さんの言う通りゆっくりしたいですし、先に片付けちゃいましょう」
「!」
くすくすと笑いながら惣介さんはお皿を重ねていく。
慌てて私もお皿を重ねる。
また惣介さんのヒミツ事だと思いつつ、それに悪いことはないからと、私は深く考えないことにした。
けど、はたとあることに気付く。