「あのっ…ありがとうございました!!」
結局先輩は、家から小学校まで私を送ってくれた。
「いいよいいよ。小学校と中学校お隣さんなんだから。」
なんでもないような顔をして言う先輩が少し歳が違うだけなのにすごく大人に見えた。
かっこいいな…
「じゃぁ、そろそろ行くね!」
「あっ…あの、名前…教えてください!」
先輩はきょとんとした顔をして、すぐににこっと笑った。
「れん。」
「れん…先輩…。」
「じゃぁ…また。
優花ちゃん。」
そう言って中学校の方へ自転車をこいでいった。
その後ろ姿に見とれて、しばらく思考が回らなかった。
「あれっ…名前…」
教えたっけ。
そんな疑問を抱きつつも、微かな胸の鼓動を感じていた。
れん先輩…
「てゆうか、男の子と初めて二人乗りしちゃった…!」
12歳の私の胸はトキメキとドキドキですぐにでも破裂しそうだった。
*
その後、私は先生にこっぴどく怒られた。
怒られ慣れてない私はいつもだったら号泣だっただろう。
でも今日は全然へっちゃら。
頭の中は"れん先輩"でいっぱいで、先生の話など右から左へ流れていった。
れん先輩は、何年生なんだろう…
何部なのかな…
かっこよかったな…
また、会いたいな
色んな事が、頭の中をぐるぐると回った。
*
その日から私の頭から"れん先輩"は離れなかった。
授業中も休み時間も、いつも頭のどこかで先輩のことを考えていた。
だけどそれ以来1度も先輩には会えなかった。
登下校の時にわざわざ中学校の前を通ったりしたけど、先輩の姿を見ることはできなかった。
そのまま、私は今日卒業式を迎えた。
中学校に行ったら先輩に会える。
それが、中学校生活1番の楽しみだった。
結局先輩は、家から小学校まで私を送ってくれた。
「いいよいいよ。小学校と中学校お隣さんなんだから。」
なんでもないような顔をして言う先輩が少し歳が違うだけなのにすごく大人に見えた。
かっこいいな…
「じゃぁ、そろそろ行くね!」
「あっ…あの、名前…教えてください!」
先輩はきょとんとした顔をして、すぐににこっと笑った。
「れん。」
「れん…先輩…。」
「じゃぁ…また。
優花ちゃん。」
そう言って中学校の方へ自転車をこいでいった。
その後ろ姿に見とれて、しばらく思考が回らなかった。
「あれっ…名前…」
教えたっけ。
そんな疑問を抱きつつも、微かな胸の鼓動を感じていた。
れん先輩…
「てゆうか、男の子と初めて二人乗りしちゃった…!」
12歳の私の胸はトキメキとドキドキですぐにでも破裂しそうだった。
*
その後、私は先生にこっぴどく怒られた。
怒られ慣れてない私はいつもだったら号泣だっただろう。
でも今日は全然へっちゃら。
頭の中は"れん先輩"でいっぱいで、先生の話など右から左へ流れていった。
れん先輩は、何年生なんだろう…
何部なのかな…
かっこよかったな…
また、会いたいな
色んな事が、頭の中をぐるぐると回った。
*
その日から私の頭から"れん先輩"は離れなかった。
授業中も休み時間も、いつも頭のどこかで先輩のことを考えていた。
だけどそれ以来1度も先輩には会えなかった。
登下校の時にわざわざ中学校の前を通ったりしたけど、先輩の姿を見ることはできなかった。
そのまま、私は今日卒業式を迎えた。
中学校に行ったら先輩に会える。
それが、中学校生活1番の楽しみだった。