__20xx年












桜が咲き始めた3月の下旬。










私は今日、この小学校を卒業する。










「みんないつもと雰囲気違って緊張するー!」








「私も!
卒業証書貰うのとかやばいなぁ。」









「卒業しても隣の中学行くだけだから寂しくないよねー。」









「でも違う人もいるじゃん!
やっぱなんか寂しいよー。」









自分の気持ちを口々に言うみんな。




なんだかんだ言ってみんな笑顔だ。




「おいっ、優花!
お前大丈夫かwボーッっとしてww」








「うわっ、チンパンジーじゃんw
大丈夫なの?w長袖とか着てww」






「はっ!?チンパンジーじゃねーよ!

俺様は司っていう素晴らしい名前があるんだよ!

長袖だって着ますー!!!」








子供だなぁ。








冬でも半袖半パンで見た目からして付けられたあだ名がチンパンジー。









怒るくせにチンパンジーって言ったら振り向くじゃんか。













自分のこと、俺様とか言ってるし。








そういうとこがまだまだ子供。









「ほら、チンパンジー。
もう卒業式始まるから。さっさと行くよ。」








「なんだその上から目線はー!」








いつもこんな感じだけど、司とは腐れ縁みたいなもので、小学3年生辺りから話をする。










司と話すの、楽しいし。










「…_卒業証書授与」









卒業式は淡々と過ぎた。








去年までは本当に長く感じたけれど、今年は自分達の卒業式なだけあって、意外と早く終わった。









来月からは中学生。








…私が中学生だって。










制服のデザインには不満があるけど、やっぱり毎日制服で通うなんて、ちょっと楽しみ。









「…先輩、いるかな…?」










私の中学校生活の楽しみは、もう1つあった。









まだ誰にも言ってない、去年から楽しみにしてたこと。