「楽屋行く?」






『楽屋!?』






葵と声が揃う






「もう祐ちゃんの許可はもらってるけど。。。」







「沙希?」





葵がアタシの返事を待つ






「緊張するし〜」





「でもこんなチャンスもうないよ」






葵と拓に背中を押されながら高井さんの楽屋の前まで来てしまった








コンコン







拓のノックにドアが開く







「いらっしゃい」






この笑顔。。





もう理性を失いそうになる







「みんなありがと」






「いいえ」






「沙希ちゃん。楽しんでいってね。最前列。笑」







アタシの顔は一気に赤く染まる





「高井さん。。。」





「ゆうちゃん!そろそろだよぉ」








共演の女優さんがこっちをチラッとみて高井さんを連れていってしまった








「沙希ちゃ〜んどんまいっ」





たくぅ。。。







「じゃあ俺たちも行こっ」






「うん」







座席は本当に一番前で舞台との距離は近すぎた




こんなんじゃ高井さんの演技に集中なんてできない。。。






照明が落ちてステージ上の高井さんにスポットライトが当たる






息ができない。。






高井さんの動きから目を離す事もできない







観客の歓声と拍手で我に返る





途中目が合ったような気がした






みんながそう思ってるんだろうなぁ。。







「沙希?」





「おい沙希??」