「話せる?」




「。。。沙希ぃ」




言葉よりも先に涙が零れ落ちる





「ゆっくりでいいよ」





「。。。うん」




「拓ちゃんね。。。」







「。。うん」






「拓ちゃん。。大切に思ってる人がいるって。。」





そんな話一度も聞いたことがない






「。。。誰?」






「分かんない」







「。。。」







「でもね。。アタシそれでもいいっていったんだよ」






「。。。うん」








「でもそんな事できないって」







それは拓の優しさだと思った





拓は中途半端に人の気持ちをもてあそんだりしない。






泣き崩れる葵にアタシは声をかける事ができなかった




深夜4時


ソファの上で泣き疲れた葵をベッドに連れて行き毛布をかけた






そしていつの間にかアタシもソファで寝てしまっていた











「おはよう葵」






「おはよう。。アタシ。。ベッド占領しちゃったんだね。。



  ・・・ゴメンね」






「いいよいいよ」







「アタシね。やっぱり拓ちゃんの事好きだし諦めたくないよ。」






「うん」







「だから応援して。頑張るから。」






「うん。分かった」







葵は強いね。。。




アタシはずっと葵のこと見守らなきゃって思ってた




本当に優しくて傷つきやすい葵。




でも。。アタシなんかより全然強い






アタシは傷つくのが怖くて足を前に出すこともできない。。