もうすぐ昼休みも終わる頃、高井さんからのメール



【今日会えないかな?】




嬉しかった。


このときの高井さんの気持ちなんて知らずに。。。





23時にうちに来る。




高井さんの好きな料理作って待ってよ。





仕事が終わるとすぐに会社と飛び出して材料を買いに行く。






高井さんに会える。




それだけで足取りも軽かった




うまく作れないかも知れないけど好きな人に料理を作れるそのことが嬉しかった





部屋に戻ると窓を開け、重くこもった空気を入れ替える



左手の指輪はまだちゃんと光ってる





コトコトとデミグラスソースが音をたてる




いい匂い。




喜んでくれるといいなぁ。。




煮込みハンバーグにオムライス。





楓さんのようにはうまく作れない







でもアタシなりに頑張ったから。。





時間はもう22時を過ぎている。





アタシ。。ちゃんと言いたいこと言えるのかな。






マサキの事も。。。




大きく深呼吸する。








1分1分が長く感じる




階段の音が聞こえるたびに立ち上がる





また違った。。。








『ピンポーン』






「は、はい」





ドアを開けるとそこには優しい笑顔の高井さん。




よかったぁ。。。。




「あっいい匂いするな」





「うん。作った。お腹すいてない?」




「すいてる。」








ニコッ






この笑顔をずっと見たかった








「沙希が全部作ったの?」






「うん。


。。。。おいしくない?」





「おいしいよ」






今日はちゃんと話せそうな気がする