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。。。。声は無理
高井さんの姿を目で追う
。。。。会いたいよ
ここにいてもどうしようもない
タクシーで楓さんの店に向かう
迷惑がかかるかも知れない
高井さんはいないかも知れない
でも今行かなきゃダメになる
茶色くて大きなドアを開けた
「沙希ちゃん。。祐介?」
「。。。。はぃ」
「う〜ん。。。
今は会わない方がいいんじゃないかな。」
「。。。でも」
「詳しいことは分からないけど今は会わない方がいい」
「。。。。」
「でもせっかくだからなんか食べな」
「でも。。」
食欲なんてない
「はい座って。」
時間が遅いせいかお客さんもスタッフの子もほとんどいない
カウンターに座ったアタシに楓さんがオムライスを作ってくれる
「沙希ちゃん。祐介と会えない時間寂しかった?」
「。。。はぃ」
「それは祐介も同じだと思うよ。ずっと舞台に雑誌のインタビューに次の仕事の打ちわせ。沙希ちゃんに会いたくても会えなかった。でもどうしても会いたいからって昨日の夜の仕事前倒しにしてもらったぁ。って嬉しそうに電話でいってたよ。寝ないでがんばってた。」
「。。。。」
「沙希ちゃんと何があったのかは分からないけど、ここで大分飲んでたから。。今は会わない方がいい」
「アタシ。。。。」
「言わなくていいよ」
楓さんの笑顔に涙がでる
「はぃ!どうせ食べてないんだろぉ」
「。。ありがとう。。ございます。。。。」
高井さんとの思い出の味。。