『夜道をひとりで帰るのは怖い』


神崎さんに、電話を掛けてみようか迷う僕に、携帯電話のメールがそう言う。


『私、数学苦手なんだ』


夜道と年頃の女の子の関係性を考慮している僕に、汗を表す末尾の絵文字が囁く。


『教えて欲しいな~ ガリガリ君おごるからさあ』


添付された写真の、ガリガリ君のパッケージが僕を笑う。


『ダメ……かなぁ……』