「はい」

「はいって! なんか知らない人みたいじゃん!」


神崎さんは笑いながらそう言った。

きっと大きな体を大きく揺すりながら笑っているのだろう。

そういえば、僕と同じくらいの身長だった。

女子の中では大きい方だろう。


「はあ……すみません……」


僕は他に言葉が見つからず、そう答えた。

それを聞いて、神崎さんはまた電話の向こうで笑う。


「ま、いいや。ねえねえ、今日の数学の課題終わった? 教えてくんない?」